2015年5月15日

坑廃水の不適切な処理を引き起こした原因及び再発防止策について

当社尾去沢事業所内の小真木坑廃水処理所におきまして、2005年4月から2013年7月までの間、豪雨や融雪などによる増水時に、河川への無処理坑廃水の放流、及びデータの書き換え等を行っておりましたことについて、近隣の皆様をはじめとする多くの方々に多大なご迷惑、ご心配をお掛けし、改めて深くお詫び申し上げます。
本件につきまして、当社ではこれら不適切な処理を引き起こした原因及び再発防止策等を下記の通り取り纏めましたのでお知らせいたします。
当社と致しましては、本件を真摯に受け止め、今後二度とこのようなことを引き起こさぬよう、再発防止策に全社を挙げて取り組むとともに、引き続き情報公開に努めてまいります。

1.不適切な処理を引き起こした原因

(1)設備面における原因

当社では、2004年度に山腹水路水(※1)の全量を坑廃水処理(※2)設備で処理するため、所要の導水配管及び貯留槽を設置しました。しかしながら、増水時には、処理能力を超える水量が流入しておりました。
これは、豪雨時や融雪期の最大水量の検討や社内の設計確認が不十分であったことから、処理能力不足を招いたものです。

(2)管理面における原因

小真木坑廃水処理所で継続的に行われた無処理放流やデータの書き換えは、法令遵守よりも坑廃水処理能力との整合性を優先させたものであり、法令等を遵守する意識が希薄であったことが原因でした。
また、8年もの長期に亘り、無処理放流が継続されていたにも関わらず、当社本社の発見が遅れたことは、当社の内部統制機能が不十分であったことによるものでした。

2.現在までに講じた改善策

(1)設備面における改善

当社は、2013年8月に発生した秋田豪雨災害への対策として、処理能力を720㎥/時まで増強するとともに、更なるリスク低減のため、2014年度には1,104㎥/時まで増強しました。これらにより、過去に発生した無処理坑廃水量は全量を適切に処理できる体制となっております。

(2)管理面における改善

  1. 鉱害防止工事実施時のダブルチェック体制
    鉱害防止工事実施の際、当該仕様の適正を確保するため、当社本社のみならず、親会社である三菱マテリアル社も確認するダブルチェック体制に変更しました。
  2. 組織体制の強化
    尾去沢事業所は、従来5名体制でしたが、管理職や専門技術者等を増員した計12名体制とし、所要の管理を確実に遂行できる体制としました。
  3. CSR教育の実施
    尾去沢事業所員に対して、CSR教育を徹底し、コンプライアンス・法令遵守意識の浸透を図りました。
  4. 非定常作業の作業標準、運転手順書の作成及び教育の実施
    緊急時を含む非定常作業の作業標準及び運転手順書を整備し、尾去沢事業所員全員が共通の作業手順等に基づいて管理する仕組みに改めました。またこれらに関する教育を同事業所員に実施し、今後も定期的に実施して参ります。
  5. 日誌記録方式の変更
    日誌の記録を、修正不能な方法で記入する方式に改め、意図的な修正・改ざんの防止、修正箇所の明確化を図りました。

3.今後の再発防止策

(1)設備面における再発防止策

  1. 現状設備の改善
    現状の処理設備についても引き続き改善を行って参りますとともに、過去にも発生した豪雨等に伴う過大な水量が発生する場合に備え、導水系統の増強及び坑廃水貯水容量の拡張を実施いたします。
  2. 将来を見据えた対策
    現有設備はすでに能力を増強しておりますが、耐久年数の長期化を目指すための対策を行う予定です。さらに坑廃水処理の安定化を促進させるため、小真木鉱山の法面被覆や水路整備などの対策により水量の削減を図る予定です。

(2)管理面における再発防止策

  1. 全社対応
    担当者による不正等の防止の観点から、CSR教育を主とする各種教育の実施体制の整備や、定期的な社内監査を実施するとともに、再発防止策についてPDCA手法による管理を徹底して参ります。
  2. 尾去沢事業所対応
    組織・業務分担などを定めた業務管理マニュアルを見直すとともに、現場におけるデータの書き換え防止や転記ミス解消に向けた記録方法の見直し、各種業務担当者の定期的なローテーション、複数担当者による管理を実施いたします。
  3. その他
    当社ホームページ等を通じ、環境データの情報公開を進めます。

以  上

※1)「山腹水路水」とは
山腹水路水とは、鉱山跡地への降雨水等を集めて流す水路の水をいいます。

※2)「坑廃水処理」とは
非鉄金属を採掘した鉱山では、重金属などを含む水(坑廃水)が、発生することがあるため、これらの坑廃水を排水基準に適合させるように処理することをいいます。

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