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特集

化学工業プロセスに用いられる当社MMCスーパーアロイの非鉄金属材料

化学工業は一般に、「様々な原料から、様々な目的の製品を、化学技術を用いて製造する産業」と定義され、化学製品は、無機化学製品、ガス製品、有機化学製品、石油化学製品等に大別されます。

化学工業のプロセスは、不定形の固体(粉体や粒状)や流体(液体や気体)の原料を装置(容器)に投入し、特定の条件(温度や圧力、また触媒)を加え、化学的変換(化学技術)を行うものです。そのプロセス設備を構成する要素(プロセス・ユニット)には、塔,槽,熱交換器,反応器,加熱器などの静止機器(静機器)と、ポンプ,コンプレッサー,遠心分離器などの回転機械(動機器)があります。

化学工業のプロセスでは、反応の過程で避けられない腐食因子や反応副生成物などによる腐食対策が課題となる場合が多く、プラントに携わる方々は材料の腐食(劣化)と対峙した際に、どのようにして腐食を軽減、あるいは防止(防食)するかについて考える機会がしばしばあるのではないでしょうか。腐食対策は、「構造設計」、「環境制御」、「材料選定」、及びこれらの複合要素から検討されることとなりますが、特に、「材料選定面」から、腐食・防食をご専門としない方々にもお役立て頂ける様、耐食合金のホームページを充実致しましたのでご参考にして頂ければ幸いです。

一般に、化学装置に用いられる材料には、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼材料や、Ni、Ta、Zr、Ti等の非鉄金属又はそれらの合金材料、グラスライニング、樹脂ライニング、カーボン(不浸透黒鉛)等の非金属材料など様々な種類があり、各々に特徴があります。

材料選定の面では、法定点検のインターバルが4年となったことにより、仮に4年連続運転を計画する場合、次々回の定期メンテナンス時期、すなわち8年後にプラント材料としての健全性を維持する材料の選択が求められて参ります。生産性向上を目的として、定修間隔は近年伸びる傾向にあり、このことは、これまでのイニシャルコスト重視の考え方から、メンテナンスフリーを実現する信頼性の高い材料の選択へと材料選定の考え方が転換されてきていることを意味しております。この様な状況において、対象とするプラント環境に適した耐食性を確保し、溶接構造物として信頼性があり、さらにはより経済性を考慮したクラッド鋼板やライニングなどの設計・施工においても優れたパフォーマンスを発揮する弊社特殊耐食合金・ 耐熱合金は、その特性が近年益々高く評価されております。当社ではMAT21(当社開発合金)、MA合金、ビシライトなど各種耐熱合金耐食合金耐摩耗合金を製造しており、これら当社非鉄合金は以下の様な化学プロセスにおける各種装置及び配管用材料として、幅広く使用され、高い評価を得ています。

◆無機化学プロセス

(苛性ソーダ,硫酸,塩酸,硝酸,弗化水素酸,塩素,燐酸,塩化亜鉛,塩化第二鉄, 硫酸アルミ など)

◆石油化学プロセス

(酢酸,エチレンジクロライド(DEC),塩化ビニルモノマー(VCM),トリクロロエチレン,エピクロルヒドリン(ECH),イソプロピルアルコール(IPA),アクリロニトリル(AN),メチルイソブチルケトン(MIBK),メチルエチルケトン(MEK),シクロヘキサノール,スチレンモノマー(SM),メチルメタクリレート(MMA),高純度テレフタル酸(PTA),トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),高密度ポリエチレン(HDPE),ポリカーボネート(PC),ポリフェニレンサルファイド(PPS)など)

これら代表的な化学プロセスで用いられる弊社耐食合金製品の形状には、板、棒、線などの中間材の他、当社の持つ優れた加工技術を生かした各種溶接組立製品があります。

当社MMCスーパーアロイは、需要家の皆様の「こうしたい」に誠実にお応えする総合非鉄金属メーカーとして、需要家の皆様より厚い信頼を得るよう今後とも努めてまいります。


各種溶接組立製品は当社の前身である三菱マテリアル高機能製品事業部が1997年にインドネシアに設立した特殊合金ファブリケーター(溶接組立品製造会社)であるPT. MMC METAL FABRICATION(略称MMF)社で製造されます。