安比地域の特徴
安比地熱発電所は、岩手県の北西端、秋田県との県境近くにあります。南方には標高 1,300~1,500mの八幡平火山を構成する山々が連なり、発電所はその北斜面に位置しています。ここは、十和田八幡平国立公園の八幡平地域の北方に位置し、周辺には自然湧出する温泉が分布する地熱資源に富んだ地域です。
安比地熱発電所の概要
| 施設の名称 | 安比地熱発電所 |
|---|---|
| 発電所の原動力の種類 | 汽力(地熱) |
| 発電所の定格出力 | 14,900kW(発電端) ※一般家庭のおよそ28,000世帯分 (令和5年度環境省データより算出) |
| 位置 | 岩手県八幡平市 八幡平山国有林内 |
| 敷地面積 | 約18万m² ・発電所施設等:約12万m² ・残置森林・緑地帯:約6万m² |
安比地熱発電所が運転を開始するまで
| 1980 〜 1981年度 1994 〜 1996 年度 2000 〜 2003 年度 |
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による地熱開発促進調査により、安比地域に有望な地熱資源の存在が確認される |
|---|---|
| 2004 年度〜 | 三菱マテリアル㈱と三菱ガス化学㈱が、NEDOより調査井の貸与を受け、共同調査による事業化検討を続ける |
| 2015 年 10 月 | 三菱マテリアル㈱と三菱ガス化学㈱の合弁会社である安比地熱㈱を設立する 安比地域での地熱発電所設置計画を策定し、環境影響評価を実施する |
| 2018 年 1 月 | 経済産業大臣より、環境影響評価書の確定通知を受領する |
| 2018 年 6 月 | 電源開発㈱が事業に参加する |
| 2019 年 7 月 | FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)に認定される |
| 2019 年 8 月 | 発電所建設工事着工 |
| 2023 年 9 月 | 総合試運転を開始する |
| 2024 年 3 月 1 日 | 営業運転を開始する |
安比地熱発電所全景
安比地熱発電所のしくみ
火山の地下には、マントルから地表に上がってきた「マグマ」が溜まっている場合があり、これを「マグマ溜まり」と呼びます。「マグマ溜まり」は1,000℃もの高温で周囲の岩石や地下水を熱し「地熱貯留層」を形成することがあります。
安比地熱発電所では、八幡平地域の地下にある「地熱貯留層」に溜まった「地熱流体」とよばれる熱水と蒸気の混合物を地表に取り出して、発電しています。安比地熱発電所のように、気水分離器をもちいて「地熱流体」から蒸気を抽出し、タービンを回す方式を「フラッシュ発電方式」といいます。
発電所棟内のようす
発電所棟内には、気水分離器から蒸気が配管を通して運ばれてきます。その蒸気の力でタービンを回して発電をおこなったのち、復水器で水に戻して冷却水に使用するほか、余った排水は地下へと戻しています。
発電所棟内:天井から見たようす
発電所棟内:PR室から見たようす